講師によって言うことが違う!続き

 

▼講師によって言うことが違う!
https://tomiwine.com/jsatt-6

↑これは上記の、ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次対策に関する記事の続きです。そんなの読む時間ないという方のために、前回の記事をまとめますと、

  • ワインの幅もあるし(産地品種収穫年のみで具体銘柄は公開されていないので、たとえば「フランスのシャルドネ」と言っても、キリッとしたシャブリから南仏のトロピカルなものまで様々で、そこはわからない)、人によって感じ方も違うので、先生によって違うことや、模範解答も完全に一定ではないことも、ある程度はしょうがない
  • できるようになるまではできる人と同じ景色が見えないので、先生によって全然違うことを言っているように思えても実はそんなに違わないこともある
  • 迷うなら一人の先生、違いを楽しめるなら複数の先生
  • 人なので相性はあると思う、しっくりくる先生が見つかることを祈ってます

という内容でした。

そこに今、追記したいな、と思うことです。長いので別記事にしました。

ワインの香りや味わいの感じ方も人によって異なるということを書きましたが、それだけでなく、講師によって、

①過去の公式の模範解答の傾向をどこまで反映するか
②どこまでシンプル化するか
③ワインのラベルに書いてあるスペックをどこまで気にするか

上記も結構、差が出ると思うのですよね。以下、書いていきますね。

更に異なる要因①過去の公式の模範解答の傾向をどこまで反映するか

たとえば、「輝き」という項目は殆どの場合において「輝きのある」が正解ですが、2014年だけは、全ての白ワインで「落ちついている」のみが正解、同年は赤ワインも多くが「落ちついた」が同時正解となっていて、とにかく落ちつきまくりの年でした。

考えてみてください。もし皆様がソムリエ・ワインエキスパート試験の二次対策の受験講師なら、その翌年、「輝き」に関してどうアドバイスをしますか?

A「直近の傾向から、落ちついているを選ぶべき」

B「今まで圧倒的に多い、輝きのあるを選ぶべき」

結果論として、翌年の2015年以降は「落ちついている」が多用されることはなく、また「輝きのある」に戻りましたので、対応としては後者のBが正解だったのですが、これは結果論なのでわかりませんよね。最新の傾向を即座に反映した方が良い場合もあるかもしれません。

同じような例として、2021年になってから2019-2020年の模範解答がまとめて二年分出たわけですが、その二年分に限っては赤ワインのタンニン分で「溶け込んだ」が多用されており(NZのピノ・ノワール、米豪のカベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ、カベルネ・フラン)、使う場合の定義が捉えにくいので私も少し悩みましたが、翌年どうなったかというと、2021年には「溶け込んだ」は一切使われていないのですよね。結果、これもB戦法が正解ですね。

このようなことがあるため、私は基本的にB戦法で、イレギュラーな部分は一年限りなら「その年の個性」だと考え、今までに圧倒的に多いものを優先にし、ただ一応、講座や受講生によってはイレギュラーな部分もお伝えする、という感じにしています。

というわけで、その年その年でしばしば公式の模範解答にもイレギュラーな箇所があり、それを最新の重要変更点と判断し優先するか、たまたまその年限りの個性だと判断し優先しないのかも、講師によって異なると思います。

同じデータを元にしていても、講師によって受け取り方、判断の仕方が異なるので、細部が変わってきやすいのですね。

更に異なる要因②どこまでシンプル化するか

上記のように、模範解答を分析していると、「その年の個性」がしばしばあります。

これは別に悪いと言っているのではなくて、一般的なワインのテイスティングコメントにも国内外で流行りの言い回しがその時々であったりもしますから、普通のことだと思います。人の使う言葉も時代と共に変わっていきますし、ワインの鑑賞表現自体が芸術にも近いものと思いますし。

で、そのようなイレギュラーな部分をどこまで受講生に伝えるか、も講師によって異なるでしょう。

そして、どこまで細部の情報を求めるか、どこまで伝えてくれるのが気持ちいいかも、受講生によって異なりますよね。

例えば私のスタンスは大凡「基本的にはこうだけど、こう言うこともあるよ」という感じですが、そうではなく「これはこうです!」と言い切ってくれないと心地よくない、「こう言うこともある、ああ言うことある」では迷って困る、と言う方も少なからずいらっしゃるでしょう。

これはただ私が個人的に思うことで異論やご批判等もあるかもしれませんし、それぞれの先生のスタイルで良いと思うのですが、そもそもワインという飲み物は非常にバラエティ豊かで変数が多く複雑な飲み物なので、シンプル化しようとすればするほど、「例外」も多くなってきちゃうのですよね。シンプル度の強いロジックを優先で学習されてきた方が、二次対策で色々飲むと例外にも多々直面して「先生はこうだって言ってたのに」と混乱される姿もよくお見かけしますので、私はあまりシンプル化しすぎない方が良い、と思っています。

たとえば、「外観でこれを選んだら、香りはこれを選ぶ」というような戦法を勧められる先生もいらっしゃると思います。そういうふうに1つや2つの要素から、機械的に連動して選べると楽だと思いますし、なるべくシンプルに決めてくれたほうがありがたい受験生は少なくないだろうと思うのですが、私は、それはあまり推奨しない派です。例外も多いからです。近年の出題アイテムを考えると、特にそう思います。結局機械的に選ぶと「根本をわかっていない」ので、例外に直面する度に混乱したり、本番で傾向の異なるアイテムが出た場合に太刀打ちできず結論だけでなくコメントごと盛大に大外しをしたりするリスクも高まるので、それは気の毒だなぁ思うからです。

※参考:レモンイエローなら、柑橘類、すいかずら、などと自動的に選ぶのは私はあまりお勧めしないという話→「【ご質問】色の見方が難しい!オレンジがかった、紫がかった、黒味を帯びた、縁が明るい、の微妙なラインの場合の判別が難しいし、それに寄せてコメントを作ると全体的に模範解答と違っちゃうことがあって困るんだけど・・・」
https://tomiwine.com/jsatt-22

この辺りも本当に考え方は講師によって様々と思いますので、講師のロジックや、講師作成の模範解答の傾向も変わってきますよね。

更に異なる要因③ワインのラベルに書いてあるスペックをどこまで気にするか

二次対策は単発で沢山のコマの種類があって、皆様どれに参加すればいいか迷われるでしょう。

講師も、それだけ短期間に沢山の種類のワインの模範解答を作ります。その際、全くノーヒントの完全ブラインドで模範解答を作成しそれをそのまま配布する先生やスクールは、滅多にないと思います。

先生によっては最初から「この品種、この産地、この収穫年、このアルコール度数だからこう」というふうに機械的にコメントを作成される方もいらっしゃるかもしれません。

そうでなくても、フラットな目線で分析しようとしても、スペック(品種や産地などの情報)が多少なりとも頭にあると、講師も人間なので無意識に引きずられることもあるかもしれません。

いずれにしても、完全なるブラインドでコメントを作成する受験生とは、講師の模範解答は感じ方が異なっている場合もあるんじゃないでしょうか。

その大なり小なり講師の頭にあるワインのスペックに、どこまで寄せたコメントを作成するか、というのも講師によって異なると思います。

ちなみに私が模範解答を作る時は、「大部分は感じたまま、でも過去の傾向やスペックも多少加味して調整する。アルコール度数など表記のスペックと異なりそうな場合は、自分はそう感じたということで口頭でそれも伝える」というふうにしています。感じたままにしすぎても試験で点の取れるコメントにならない可能性があるし、過去の傾向やスペックに寄せすぎても目の前のワインとかけ離れてしまうことがあるからです。

※参考:表記のアルコール度数もあまり当てにならないようですしね→「【ご質問】アルコール度数がなかなか当たらない!

おそらく本番の公式の模範解答も、、、どなたがどのように作成されているかはわかりませんが、きっとソムリエ協会の複数名の識者の方々が、「感じたまま」で作られていて、それがイレギュラーな部分やコメントの幅にもつながっているのだと思うのですよね(勝手な推測です)。

なので私は、あまりスペックに寄せすぎず、結局は目の前のワインにしっかり向き合うことが大事だと思っています。

※参考:「今一度ピュアな気持ちでワインと向き合ってくださいね

余談ですが、昔は私も授業前にテイスティングをして先に模範解答を作ったり、その時間がない時は、先に品種・産地・収穫年・アルコール度数を見てドライティスティングし(エアーでコメントを作り)、テイスティング時に一口飲んで事前に作成したコメントを微調整する、という作り方をしていました。今は、あまりにも時間のない講座や同一内容で複数回行う講座を除き、大抵は、授業の中で私も皆様と同じ環境・同じ制限時間で飲み、その場でテイスティングコメントを作成し共有するようにしています。事前テイスティングの場合、環境が異なると感じ方も異なる場合があるのと、やっぱり皆様と同じ状況で飲まないと、なんだか皆様とテンションが異なる気がして。あと手前味噌ですが、講師としてライブ感の強いやり方でもきちんと行えるという安心感が、自分の中でそろそろできてきたというのもあるでしょうか。

いずれにしても、講師作成の模範解答にワインのデータ的なスペックをどこまで加味するかも講師によって異なるため、また違いが出てくるのですよね。

前回と少々異なる結論

吹奏楽を楽しんでいる友人から、「基礎を覚えるまでは一人の先生に師事するのが普通」と聞いたことがあります。

明解に正解不正解がすぐに出る座学とは異なり、感じ方や解釈の仕方、表現の仕方にも違いのある体得系や芸術系のものは先生によって正解や点数の違いがでるので、基礎がおぼつかないうちからいろんな先生に師事すると混乱するからですよね。

※参考:講師に対して他の先生はこう言ってたのに…とは言わない方がいいかもよと言う話→「【ご質問】二次対策講座を効果的に受講するには?

音楽もワインテイスティングも、そういう意味では似ているかもしれないと思いました。

「迷うなら一人の先生、違いを楽しめるなら複数の先生」と前回は書きましたが・・・これだけ講師によって異なる要因も多いため、すでに自信のある方や様々な先生の見方が知りたい!という方以外は、むやみやたらに複数の先生でなく、できるだけしっくりくる一人の先生の仰ることを素直に聞いて信じたほうが効率がいいのではないかな、試験が終わってから世界を広げれば良いのではないかな、と最近は思い始めています。

「とにかく経験と数が重要、毎日飲め!」という先生もいらっしゃるかもしれませんが、私は正直、一次も二次も量より質で、闇雲に飲んでもあまり意味がないと思っています。情報やメソッドもそうですよね。

ちなみに私も自分の趣味の分野では、甲乙つけ難い複数の素晴らしい先生方のレッスンでしばしば仰ることが異なるため、混乱することが今もあります。そう言う場合、しっくりくる主軸の先生を決めて、他の先生のおっしゃることも良い部分は有り難く取り入れるけど、主軸の先生の教えと異なる部分は申し訳ないけど取り入れない、ということにしてなんとか自分の中の混乱を落ち着かせています。

でも、スランプになったときに、いつもの先生とは異なる教えを試してみるとうまくいくこともありますよね。ワインに限らず一般に共通する停滞期の抜け方は、「気晴らしをしつつ、さらに頑張る」でしょう。頑張っても成果が出ない時期は誰にでもあって、グッと成長する前に消化に時間がかかっているだけですので、「そこで嫌になってやめちゃわないこと」が非常に大事と思います。

テクニックに頼りすぎても本質を見失うので、今一度、ピュアな気持ちで目の前のワインに向き合ってくださいね。

あと、昔からしばしば二次試験直前に、

●風邪をひかれて鼻が全くきかない
●妊娠されてアルコールを口にできない

などの方がいらっしゃいますが、それでも受験され、前者の方は香りは取れなくても外観と味わいだけで、後者の方は味わいは取れなくても外観と香りだけで、なんとか判断して想像でコメントして合格されていますので、もしそういう状況になっても決して諦めないでくださいね。

皆様ならできますよ。

ここまで頑張ってこられたご自身を信じてあげてくださいね。

私も、しっくりくる先生に選んでもらえるように頑張らなきゃ。(^^)

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お読みくださって、どうもありがとうございました。

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富田葉子

富田葉子

J.S.A.認定ソムリエ/ワインエキスパート WSET® Level 3 Award in Wines シェリー原産地呼称統制委員会認定 2014年最優秀ベネンシアドール JCAAコミュニケーション能力検定1級 日本滑舌能力検定協会認定講師(滑舌能力検定1級) 日本朗読検定協会認定講師(准プロフェッサー) レストラン勤務時代にネッド・グッドウィン MWの元で働き、ワインの魅力の虜になる。ワインの勉強は生粋のアカデミー・デュ・ヴァンっ子で、アカデミー・デュ・ヴァンが大好き。 みんなが仲良くなれる優しい雰囲気、聞き取りやすい講義と分かりやすい資料が特に好評。試験講座受講生の合格率も高く、「暗記こそ心で伝える」をモットーに、どこまでも寄り添って全員を合格へ導く。 15年間シングルマザーの経験があり、近年まで自身が「家事育児を両立し勉強もしながら忙しく働く母ちゃん」であったことから、限られた時間でも楽しくしっかりと身につけていただくことに心血を注いでいる。受講生との交流を大切にし、クラス会も活発に開催。 近年は滑舌能力検定や朗読検定の講師資格も取得し、ただワインに詳しいだけの講師ではなく、伝え方のプロフェッショナルでもありたいと日々努力を続けている。

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