資料集【2019年】ソムリエ・ワインエキスパート二次対策で良くいただくご質問

【2019年】ソムリエ・ワインエキスパート二次対策で良くいただくご質問

JSAソムリエ・ワインエキスパート二次試験まであと9日。

 

単発で毎日バラエティ豊かに行われる二次試験対策講座を私も担当させていただく中で、例えば連日複数のコマに参加してくださっている方、ワインスクールも初めてで勇気を出してきてくださっている方など、様々な方がいらっしゃって、それぞれ皆様頑張ってるなぁ…と、胸が熱くなっております。

頑張っていらっしゃるからこそ、迷える子羊さんにもなりやすい時期ですよね。中には、「やればやるほど分からなくなる」なんて弱気になっていらっしゃる方も。

 

テイスティングは知識も大変重要ですが、どうしても感覚的な部分もあるため、個人差がとても大きいと思います。その方にとって必要なこともお一人おひとり異なるので、可能ならマンツーマンでトレーニングさせていただきたいくらい。だけどそれも現状ではなかなか難しいので、よくいただくご質問と、ちょっぴり思うことを書きます。

 

Q1:よく出る品種のコメントパターンを暗記して書くのってどう思う?あり?なし?

 

A1:ありかなしかは、その人のレベル次第な気がします。

 

スポーツやビジネススキルなど、あらゆる「体得系」の分野で、下記のことがよく言われていることと思います。

(※具体的なソースが思い浮かばないので、もしご存知でしたらご教示ください。レベルや注釈は、私の解釈で勝手に書いています)

 

ごく一部の天才的な方を除いて、普通の方は、何かを始める時に最初はレベル1の状態です。頭でも分からないし、もちろんできない。

 

そこから、頭ではわかるようになって、でもまだ体がついていかない状態がレベル2。

 

頑張って一生懸命意識しながらやれば、なんとかできるようになった!という状態がレベル3。

 

もう体得して無意識にできちゃう状態がレベル4。

 

もちろん能力は高いに越したことはないけど、ソムリエ・ワインエキスパートの二次試験突破に最低限必要なのは、レベル3と思います。あれこれ意識して一生懸命考えて、なんとか大まかにできる状態。

 

レベル3もしくは4の方が、「きっとあの品種だ」と思い、そこに寄せたコメントをしていく…というのは、アリだと思います。なぜなら、大まかに合っている可能性が高いからです。

 

しかし、レベル2以下の方にはオススメしません。

 

例えば「テイスティングの仕方やコメントの言葉の選び方、品種や産地の特徴という基礎知識は学習して大体頭に入っているが、まだアルコール度数や酸の量など基礎的な分析力が育っていないので、全体的な推論があまり当たらない」と言う状態の方はレベル2でしょう。

 

この状態の方が、短期間の学習で受験テクニックだけ覚えて、例えば「パン・ドゥ・ミの香りがする=ミュスカデか甲州だ!」などと少ない要素で品種や産地を安易に特定し、そこに寄せた品種のコメントに猛進すると、超あぶない。ちゃちゃっと結論を決めて暗記したコメントを書いて早く楽になりたい気持ちはよくわかるけど、大外しする危険があるから、できればやって欲しくないの。

 

たしかに試験的なコメントとして「パン・ドゥ・ミ」はミュスカデや甲州で選ばれているけど、シュール・リーをしているワインはミュスカデや甲州だけでなく、シャルドネなど他品種でも珍しくないからね?

 

てかシュール・リーのパン・ドゥ・ミの香りや、他にはシャブリの火打ち石+MLFのバターの香りなどを、なんとなく甘香ばしく感じて「樽香だ!」と思っちゃって樽のシャルドネに寄せたコメント書いて大失敗する方もよくお見かけするから本当に気をつけてね??

 

人間の先入観は大きくて、一度「こうだ!」って思うとそこに寄せたものしか見えなくなっちゃったりするから、いつもピュアな心でワインと向き合うようにね…!!慣れてくると忘れがちだから気をつけてね…!!

 

大丈夫かしら。

もうね、気分は「お母さん心配…!!」なわけですよ。笑

 

例えば、「迷ったらシャルドネのコメントを書けばいい」とかで運良く受かっちゃった方々に対して、そんな有資格者ってどうなの?というのは確かに私も思いますけど、それだけじゃなくて、単純に合否に関してのリスクも高いからやって欲しくないのです。

 

ということで。ご自身のレベルに合わせて作戦を考えてください。

 

ちなみにレベル2からレベル3へ上がるには、「先生!見分け方を教えてください!!」とかも無駄ではないけど、すでに頭ではわかっている方はテクニック的な知識だけさらに増やそうとしても効果が薄いです。それよりも大切なのは、得た知識を活かして体のほうをUPさせるための、ご自身の鍛練。例えばアルコール度数の低中高がとれないなら、大まかにとれるようになるまで12%以下と13%程度と14%以上のワインを並べてひたすら練習するとか、そういう地味な努力も急がば回れでやってみてください(全体的なボリューム感に関わるので、大まかなアルコール度数は大事です)。

 

Q2:先生やスクールによって模範解答が異なるから混乱するんだけど!

 

A2:そうですよね…ごめんなさいね…😭

 

毎年必ずと言って良いほど皆様からいただくお声のひとつです。

 

そもそも論で恐縮ですが、例えば香りに関して、こんなことが言われています。

 

(※アカデミー・デュ・ヴァンStep1の教科書より。Step1は本当に基礎講座ながら濃ゆいのでおすすめです。)

 

ワインのように様々な香りを持つ液体を、閾値のパターンが異なる複数の人間が嗅いだら、全く違う印象を受けるということは、当たり前に起こるのですよね。もちろんベテランの有名ソムリエさんや著名な評論家の方々同士でも起こります。同じワインを、ある方はイチゴと感じて、ある方はカシスと感じることもあります。

 

ですので、こんなことを私が申すのもアレなんですけど、先生によって解答が違うというのも、むしろソムリエ協会の模範解答自体も傾向が一定でないというのも、当たり前といえば当たり前です。

 

ただ、個人差はあるとはいえ嗅覚も味覚も訓練で向上するため、試験の模範解答を作成する立場の方や、ワインスクール等で教鞭を取られている先生方は、少なくともこれから資格試験を受けようとされる方々と比べたら、きっと、「より多くの種類の香り」を「より少量で」知覚できる可能性が高いでしょう。

 

その教鞭をとられている先生方は、各々が今までの傾向を研究し尽くした上でテクニックを伝授したり模範解答を作成したりされていますので、以前「あなたに向いている二次対策講座」にも書きました通り、基本的にどの先生についていっても合格はできるはずです。あれこれ聞いて迷子になっちゃう方は、ご自身のしっくりくる本や先生の仰ることだけを100%信じて突き進むと良いでしょう。

 

ちなみに過去のJSA模範解答の傾向に関し、「今までこの品種・この産地にはこの言葉が選ばれているから…」というのは、盲信しすぎない方がいいと思っております。年々ワインの流行りやスタイルも変わってきていて、同じ品種・産地でも安易に傾向をひとまとめにはしづらくなっているからです。

 

ただ、各先生方やスクール等で過去の試験模範解答のデータはもらえる又はある程度教えていただけると思いますので、気になる方はご活用くだされば幸いです。

 

私もご要望いただいて二次対策講座の受講生用に全品種作りました。こんな感じ。

 

ちなみに思い出話ですが…

 

今のコメント形式が始まった2011年ごろ…私はグローバルダイニングにて、ネッド・グッドウィンMWの下で働いていました。

 

ネッドさんがトータルワインディレクターで、私はネッドさん直轄店の「シェフソムリエ」という身に余るポジションをいただいて、毎日必死でございました。

 

よく覚えてます。

 

今でこそ、たとえばルーシー・マルゴーとかビットウィーン・ファイヴ・ベルズとかソレンバーグとか有名だけど、当時はプロ中のプロの方々を除いて、日本の一般のソムリエさんや愛好家の皆様の多くはご存知なかったと思います。ネッドさんが嬉しそうに次々とケースで仕入れてくださるそれらのオーストラリアのスタイリッシュなワインたちは、今思えばとても幸せなのですけど、当時は正直、私のソムリエとしての力量がなさすぎるために売るのにちょっぴり苦労しました。

 

だって、記念日とかにいらっしゃる方が多いんですもの。わかりやすいフランスやカリフォルニアの有名なワインの方が、簡単にウケやすかったんですもの(←経験・勉強不足の言い訳)。

 

売れるか売れないかは、本当に売り手次第だなぁって思います。ちゃんと説明ができたり、自分自身がお客様に信頼されて「あなたの勧めるものならなんでも飲んでみるよ」と言っていただける状態であれば、あらゆる面白いものを飲んでいただけるので、お互いにとってハッピーですよね。

 

ワインの説明のできるスタッフがいない日でも無難な銘柄として、ダックホーンやレイミーなどを置いておいたら、「なんでこんなにカリフォルニアの発注が多いんだ!」ってネッドさんに怒られたりして。諸々が今より更に未熟で申し訳なかったな。。。本当に贅沢すぎる環境で、とてもいい経験をさせていただきました。

 

当時は、言い方悪いかもしれませんがワインエキスパートなどの資格を持っている方ほど、「カリフォルニアやオーストラリアのワインなんて、樽香や果実味が強すぎて飲めないよ〜」なんて仰る方が多かったような気がします(そうじゃない方ももちろんいらっしゃったけど)。

 

まさにワインスクールの受験対策講座等で「典型的」と教えられているニューワールドのワインのスタイルが、今よりもっとパワフルだったと思います。

 

ネッドさんの選ぶワインは、例えばオーストラリアのシラーでも、バロッサはほとんどなくて(ロックフォードのバスケットプレスくらいだったと思う)、ヴィクトリアの個性的な生産者のものが多かったです。当時「ネッドさんは本当に酸がお好きだな…」とこっそり思ってしまったくらい、とにかく全体的に酸が豊かでエレガントなものが多かったのですよ。

 

だから、オーストラリアって言ってもパワフル&大量生産型のワインばかりじゃないんだけどな、うーん人間の先入観は大きいけどどうやったら飲んでくれるかな、と当時よく思いました。

 

よく考えたら、もう、それは10年近く前になるんですね。その頃の「アメリカ・オーストラリアのシャルドネ」の典型的なコメントと今では異なると思うし、他の品種もそうでしょう。

 

というわけで、過去の試験模範解答の統計を取っても、近年以外は意味が薄いような気もします。あくまでご参考に、盲信はせずに、ということで。

 

飲み手の私たちにとっては、ワインの選択肢が広がって、ますます楽しい時代ですね。

 

ああ。本当に先輩方に恵まれましたので、飲食店時代に学ばせていただいたことも、もっとそのうち描きたいなと思いつつ。

 

また書きますね。試験を控えている方々、応援してるね!



🍷⭐🍷⭐🍷⭐️🍷⭐️🍷⭐️🍷⭐️🍷

お読みくださって、どうもありがとうございました。



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