シェリーはタイプも多様なら造り方も多様で、細かいところは本によっても違ったり、造り手による差も大きかったりなど、本当に型にはめるのはなかなか難しいところもあると思うのですけど、ソムリエ教本と以下のサイトを参考にさせていただき、シェリーのタイプ分類と生産行程の簡略図を作ってみました。
タイプ別味わい分布
シェリーはタイプによって、造り手によって、同じお酒とは思えないほどの多様性があります。ぜひ色々と、お試しくださいね☺️
- 表の上側は辛口、下に行くに従って甘口です。
- 表の左側はすっきりフレッシュ系、右に行くに従ってどっしり複雑系です。
- 日本ではほとんど見かけませんが、このほかにDry、Dulceがあります。
生産工程
ワイン全般にお詳しい方でもちょっぴりつまづきやすい、わりと「あるある」な留意点としましては、
- ベースワイン完成の段階で、基本的にフロールは、全てのワインに自然発生していること
- 途中のタイプ分類で、アモンティリャードにはならない(アモンティリャードはフィノまたはマンサニージャの延長上にある)こと
- 中甘口シェリーは発酵を途中で止める造り方でなくブレンド法ということ
- 必ずしも「サンルーカル産のフィノタイプ=マンサニージャ」でもないこと
- 現在は多くの造り手がフロールを含む諸々をコントロールし、意図的にタイプの造り分けをしている(自然の成り行き任せではない)こと
・・・などでしょうか。ご参考までに、昔FBでシェアしておりました、もう少し簡略バージョンの辛口のみの行程図はこちらです。
甘口が主流
日本や本国スペインでは辛口が主流ですけど、世界的にはやや甘口が優勢なのですよね。特にブレンドタイプの中甘口。
ブレンドタイプ「Medium」「Cream」「Pale Cream」は、日本だとその存在すらご存知の方が少ないのではないかと思うのですが、主要なシェリー消費国のイギリス、アメリカ、北欧などでは定番のシェリーです。
<参考:(本国スペイン以外で)シェリー消費国Top4の消費量1位のタイプ 2016年データ>
1位 イギリス Cream(43%を占める)
2位 オランダ Medium(50%を占める)
3位 ドイツ Medium(67%を占める)
4位 アメリカ Cream(54%を占める)
優しい甘さで飲みやすいので、「シェリーってキツいイメージで苦手」というシェリービギナーの方にオススメです。
そもそもなぜ、日本で一般的にシェリーといえば、慣れていない方はキツく感じるかもしれないFinoやOlorosoと、慣れていない方は甘すぎると感じることもあるかもしれないPedro Ximénezの両極端なのでしょう…??ちょっぴり不思議です。
ほどほどの甘さと柔らかさのブレンドタイプや、華やかで紅茶を思わせる風味のMoscatelなどが、日本ではもっと輝けるのではないかと個人的に思います。そのままでも美味しいのですけど、お教えいただいて、冬はお燗にして楽しんだりもしています。
シェリーのお燗、温まりますし、おでんや鍋にも合うのでおすすめです?✨
更新履歴
- 2021/05/03 全体的に更新しました。
- 2021/06/05 本文の一部を更新しました。
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<シェリー関係のおすすめ>
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