資料集【2019年】ソレラシステムについて

【2019年】ソレラシステムについて

シェリーの熟成法といえば、「ソレラ・システム Solera System」ですよね(現地の言い方では、「El Sistema de Criadera y Solera」=「クリアデラとソレラのシステム」)。私たち日本人に馴染みの深い、老舗の鰻屋や串焼き屋、お好み焼き屋のなどの秘伝のタレと似ていて、先祖代々「継ぎ足し」をしていきます。

ちょっぴり複雑で、「なんだかよくわからない」という声もしばしば頂戴しますし、たしかにわかりづらい部分があると思うので、私の存じている範囲で解説動画を作ってみました。ただこれは、図解もかなり極端ですし、そもそも例外も多いですから、あくまで一例として見ていただければ幸いです。

※均一化させたタンクの中の液体も、補充するときに減っていくべきだったと今更気づきました・・・(;´∀`)私の今のスキルではアニメーションを直すのがとても大変なので、もうちょっと私のPC力&シェリー力がレベルアップしたら、また改めてつくりますね!!

大変おそまつさまでございますが、ちょっとでも雰囲気が伝わって、みなさまの理解の助けになればいいなと思います。

上記動画のポイント

<ソレラシステムの利点>

  1. 古くから熟成されたワインの複雑さと新しく追加されたワインのフレッシュさが混ざり合うことで素晴らしいハーモニーを生み出す
  2. 常に混ざり合って均一化されることで、時代を超えて伝統的な味わいと高い品質を保つことができる
  3. (産膜酵母下で熟成するタイプは)フロールを元気に保つことができる
  4.  

※フロールを元気に保つことができる理由
フロールは生きていて、常にアルコール・残糖・グリセリン・溶解酸素などを代謝して、アセトアルデヒドや二酸化炭素を生産します(フロール下で熟成をするとだんだん残糖やグリセリンがゼロに近くなっていきますので、だからManzanillaやFinoは、他の白ワインと比べて特に酸度が高いわけでもないのに、非常にドライでシャープに(平たくいえばスッキリ酸っぱいように)感じるんですよね)。で、残糖などの「フロールにとってのご飯」がなくなるとフロールは生きていけなくなってしまいますから、新しいワインを補充することで、フロールにとっての栄養も補給できるという、理にかなった仕組みになっています。補充しないといずれフロールが消えて生き、Amontilladoに近くなっていきます。

<樽の呼びかた>

  • 一番古いワインが入っている樽はソレラ
  • 二番目に古いワインが入っている樽は第1クリアデラ
  • 三番目に古いワインが入っている樽は第2クリアデラ・・・
  • ソレラ以外は、「古いほど小さな数字+クリアデラ」という形で呼ばれている
  • あくまで「相対的な中身の古さ」で呼び方を分けている(置いてある位置や段数ではない)
  • クリアデラの数は様々(場合によっては10とか20とかも・・・)

<樽の積み上げ方>

  • クリアデラの数は様々でも、積み上げるのは通常3〜4段
  • 伝統的には、一番古いワインが入っている樽は最下段に置き(Solera=Suelo「床」からきている)、二番目に古いワインが入っている樽はその上(下から二段目)に積み、三番目に古いワインが入っている樽はそのまた上(下から三段目)・・・と積み上げていく
  • 実際の積み方は様々、ソレラが最下段とは限らない

<抜き注ぎの仕方>

  1. まず、同じ種類のワインの(通常は色んなタイプ・銘柄を作っているので)、全てのソレラの樽から必要量(出荷する量)を少しずつ引き抜いて、大きなタンクで均一化させてからボトリングして出荷する、というのが一般的
  2. 同じ種類のワインの全ての第一クリアデラから、必要量(ソレラから減った量=出荷した量)を少しずつ引き抜き、大きなタンクで均一化させ、全てのソレラに補充
  3. 同じ種類のワインの全ての第二クリアデラから、必要量を少しずつ引き抜き、大きなタンクで均一化させ、全ての第一クリアデラに補充
  4. 以下同様に、クリアデラの数だけ繰り返し
  5. 最後は、ソブレタブラと呼ばれる一番若いワインを、最後の(一番数字の大きい)クリアデラに補充して完了

昔はすべてを手動で、容器と漏斗と管のようなもの(それぞれJarra, Canoa, Rociador)で移し変えていたので、非常に手間がかかりました。だから、重力を利用して上から下へ、というのが理にかなっていたんですね。

これは、トラディシオンという造り手の伝統的な補充の様子です。

(典子さん写真ありがとう!!)

このように今でも伝統的な手作業を行う場合もありますが(小さいところや大手でも高級品など)、大変な重労働なので、今は電動ポンプが主流です。なので、抜き注ぎは上から下でなくても難なく行えるのですね。

これはエミリオ・ルスタウのポンプです。かっちょいい。

考えてみると、この「継ぎ足し、継ぎ足し」の過程で、たとえば1800年代頃のご先祖様が、厳密に「何を何リットルずつ入れて、どういう手順で造ってきたか」なんて、今、現地でシェリーを造っている方々でも、細かくはわからないことも多々あるのではないでしょうか・・・?それぞれが先祖代々「うちの味」を「うちのやり方」で伝統的に造ってきて、後から統制法ができていますので、原料や醸造行程その他諸々において、なかなか一概にきっちりとはくくりづらい、ということも、シェリーの学習の際には楽しんでいただけると幸いです。まさに「秘伝のタレを法律でくくるようなもの」で、そりゃ、難しいよね・・・と、私は理解しております。笑

ここからは思い出話

動画内で申しました、3年ぶり!ラヒターナのミゲルさん。一度お会いしたら忘れるのが難しい、本当に面白くて素敵な方です。

3年ぶりといえば、コロシアのカルメンさん。美しすぎる!!

去年、一昨年と日本で一緒にイベントさせていただいた、ヒメネス・スピノラのホセ・アントニオさん。今、Pedro Ximénez でフロールつけたの造っていらっしゃいましたよ!!

そういえば、バロンでいただいた竹のベネンシア(Caña)にはオチがあるんです。写真見てわかりますか??

水柱が二本・・・カップの上からも下からも出てる!!底に穴空いてる!!笑

なるほど、だからくれたんだなぁ・・・なんて、みんなで大笑い。
でも、貴重で有難いです(*´д`*)

カーニャについたフロール。

ぜひシェリーの産地にも行ってみてほしいです。本当に、楽しいですよ!!



🍷⭐🍷⭐🍷⭐️🍷⭐️🍷⭐️🍷⭐️🍷

お読みくださって、どうもありがとうございました。



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