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※過去の記事を加筆修正して再アップしています。
微妙なラインの場合、両方正解になるから大丈夫ですよ。
ただ、たとえばですが、もしかすると練習に活用されている講座やワインセットの模範解答作成者によっては、ヴィンテージを見て「若いから紫」「古いからオレンジ」に最初から決めて書いてしまっていることもあるかもしれないので、そうすると見たまんまの色と異なって「えー?」ってなる場合があるかもしれません。
あと、もしかすると仕入れの都合で模範回答作成時とはヴィンテージがいつのまにか変わっちゃっていて、配布されている模範解答と現状のワインのニュアンスが異なっている、という場合もあるかもしれません。
(その際は新ヴィンテージで模範回答を作成し直すのが正しいとは思いますが…たった1アイテムのみのヴィンテージ変更で、再度お金を払ってプロにコメント作成を依頼するのかどうかは、経営側の判断かと思います)
もちろん、時を重ねて熟成していくと、色素とタンニンの重合により、液体中のアントシアニンが減って相対的に紫っぽい色からオレンジっぽい色に見えていくこと自体は正しいと思いますが、色調一つにしても何にしても、あまりにもワインは「変数」が多いなぁと感じています(だから面白いです)。
必ずしも、古ければ古いほどオレンジというわけでもないのですよね。
たとえば寒冷地のピノ・ノワール等で、元々の色素量が少なくて、早くから紫が退色し、若くてもオレンジががっていることもあるでしょう。
ヴィンテージによっても、たとえばお日様がよく当たった年と比べて、雨の多い年のほうが、元から色素量が少なくて、早く紫っぽさが抜けるかもしれません。
自然環境要因だけでなく、たとえば抽出が軽かったらどうでしょう?などなど、とにかく栽培も醸造も、造り手による選択が山ほどあるので、同じ品種や産地でも、まったく一概には言えませんよね。
「この品種この産地はこう」という基本の特徴は、ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、「A型の日本人は真面目」くらいのものではないかと私は考えています。
過去のソムリエ協会の模範解答においても、若くても「オレンジがかった」が選ばれていることもしばしばありますので、見たまんまで選んでいいと思います。私も見たまんまを選ぶようにしています。
注意したいのは、「レモンイエローなら、柑橘類、すいかずら」「オレンジがかっていたら、干しプラムや乾燥イチジク」のように、色に寄せて香りや味わいのコメントを決めようとされる場合です。そういうふうに勧める先生もいらっしゃるかもしれませんが、私はあまりお勧めしません。
前述のように、若くてもオレンジががっている場合もありますから、もしそれで熟成感のあるコメントを書くと、全体的に間違ってしまいますよね。
たとえばボージョレは、昨今温暖化もあるのか、昔より色の濃いめものが多いような気がしています。たとえば外観を見て「色が濃いめだから、カシスやブラックベリーを選んで、味わいも力強い感じに寄せよう」などとしてしまうと、ものによりますけどカジュアルなボージョレは基本的にシンプルで軽めのコメントをすることが多いワインなので、全体的にコメントが異なってしまうでしょう。
白ワインも、特にニューワールドの嫌気的な醸造のものは、高アルコールのパワフルなワインでも、色がとても淡いことがしばしばあるように感じます。これを色の淡さから軽い方に寄せたコメントをしてしまうと、全体的にコメントが異なってしまうでしょう。逆に、ミュスカデやドイツのリースリングなど軽めのワインで、結構色が濃いめのものも、ありますしね。
ぶどうも私たちの日焼けと一緒で、紫外線を受けると中の身を守ろうとして皮の色が濃く厚くなります。そんな黒々とした果皮を醸せば、ワインの色も濃くなりやすいので(これも人のコントロールができるので一概に言えませんが素直に考えればということで)、赤ワインは「色が濃い≒パワフルなワイン」で合っていることが多いと思います。
しかし白ワインはどうでしょうか?ご存知の通り白ワインは通常、果皮を使わないため、色調や濃淡に現れる香りや味わいの要素は、赤ワインと比べるとすくないのですよね。
まとめますと、改めて「色だけ」「香りだけ」等でコメントの方向性を安易に決めず、きちんと目の前のワインと向き合って、総合的に考えてくださいね!ということでした。
やればやるほど迷うという方ほど、一旦初心に帰ってピュアな気持ちで。
大丈夫、絶対できますよ!
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