群盲象を評す、を心に留めたい

最近、思うことがあったので、書きます。

「絶対にNOと言わない」と昔グローバルダイニングで叩き込まれた私は、自分がなるべくそれを心がけているから、

(※「絶対にNOと言わない」=お客様の言うことをなんでも聞くということではなくて、「断りっぱなしにしない、断るなら別の提案を」、ということです)

「こういうの、できませんか?」
「たとえばこういうのはダメでしょうか?」

などと、仕事やプライベートで人様へ尋ねたときに、お返事が、

「難しいです」
「ダメです」
「致しかねます」

のみで、「それはダメだけど、こうならいいよ」等の提案が全くいただけないと、なんだか情状酌量の余地もなく門前払いされたような、悲しい気持ちになることがあります。

しかも、そういうときって大抵、こちらも無理を通そうとするつもりはなくて、

「ちょっと、難しいかな?」
「面倒な質問かな」

などと申し訳なく思いながら、少しの望みにかけて勇気を出して控えめにお伺いしていたりするので、もし相手の反応があからさまに、

「面倒なこと言ってるなこの人」

みたいな雰囲気だったりすると、なんだか余計に悲しくなっちゃったりして(多分言い方も悪いのかな)。

皆様も、もしかして似たようなこと、たまにあったりしませんか?

大げさにいうと、勇気を出してデートに誘ったら「その日はダメだけどこの日はどう?」もなく、「あなた無理」とピシャリと断られて撃沈する人の気分ですかね。例えがあってるかわかんないけど。笑

でも、これって、相手はダメかと聞かれたからダメと答えただけなので、何も悪くないんですよね。勝手に「ダメ」以上の親切な答えを期待するから、いけないのでは、と気づきました。

もし断りとともに別の提案も欲しいと思うのであれば、たとえば、

「こちらも無理を言うつもりはなくて、ただほんの少しでも可能性が上がるなら、できる限りの努力や改善をしたり、再度練り直したりしたいから、もしダメな場合はどうしたらOKの可能性があるのか、どこまでならOKなのかも、可能でしたら教えてくれたらとても嬉しいです」

ということを、最初からワンセットで伝えていたら、勝手な悲しさは生まれないのかな、なんて思ったりします。

なんだ、そんなこと、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私は、「絶対にNOと言わない」の文化で育ったので、ピシャリとNOで終わるのは寂しいのですよ。場合によるけど。そして自分はもしピシャリとNOを言われても、本当にやりたいことやお願いしたいことなら「じゃあこれはどう」「あれはどう」と、こちらから別の提案をしまくると思うので、最初になんと言われてもあまり関係ないかもなのだけど。笑

コミュニケーションって、いくつになっても誰にとっても、難しく楽しく終わりのないものだと思うんですよね。

「群盲象を評す」って、インドでしたっけ。

目の見えないひと、または暗闇で、複数人が初めて象を触って「象はこういう生き物だ」って言い合うんだけど、全然意見が合わない話。

象は大きいから、それぞれが触ったのがあくまで象の一部分で、全員が「こうだ!」って紛れもなく真実を言っているのだけど、言っていることが全く異なってしまうのですよね。鼻を触った人、牙を触った人、耳を触った人、尻尾を触った人、など、そりゃ全然イメージ違うよねという話で。

「NOだけじゃなくて別の提案も欲しい」も、「ダメなものはダメだとシンプルに伝える」も、それぞれ正しいと思う人がいて。

人の数だけ、「その人にとっての正しさ」があって。

そういえばコミュニケーション能力検定でも、そのような学習や、みんなでワークをやったなーなんて思いつつ。活かさなきゃですよねー。

改めて、自分の中の正しさも、自分と違う人にとっての正しさも、どちらもちゃんと尊重して、気持ちよくやりとりをして生きていきたいなと思ったのでした。

世の中は象より、もっともっと、大きいから。

誰もが、世界の一部分しか、触れないはずだから。

あ。なので、私は「自分はこう思う」というのをしばしば申すけれど、勿論それは象の極一部分でしかないと自覚していますので、違う意見の方もお気軽に話しかけてくれたら嬉しいです。

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お読みくださって、どうもありがとうございました。

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富田葉子

富田葉子

J.S.A.認定ソムリエ/ワインエキスパート WSET® Level 3 Award in Wines シェリー原産地呼称統制委員会認定 2014年最優秀ベネンシアドール JCAAコミュニケーション能力検定1級 日本滑舌能力検定協会認定講師(滑舌能力検定1級) 日本朗読検定協会認定講師(准プロフェッサー) レストラン勤務時代にネッド・グッドウィン MWの元で働き、ワインの魅力の虜になる。ワインの勉強は生粋のアカデミー・デュ・ヴァンっ子で、アカデミー・デュ・ヴァンが大好き。 みんなが仲良くなれる優しい雰囲気、聞き取りやすい講義と分かりやすい資料が特に好評。試験講座受講生の合格率も高く、「暗記こそ心で伝える」をモットーに、どこまでも寄り添って全員を合格へ導く。 15年間シングルマザーの経験があり、近年まで自身が「家事育児を両立し勉強もしながら忙しく働く母ちゃん」であったことから、限られた時間でも楽しくしっかりと身につけていただくことに心血を注いでいる。受講生との交流を大切にし、クラス会も活発に開催。 近年は滑舌能力検定や朗読検定の講師資格も取得し、ただワインに詳しいだけの講師ではなく、伝え方のプロフェッショナルでもありたいと日々努力を続けている。

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