結論、過去のソムリエ協会公式の模範解答は大いに参考にはなります。ただ、盲信しすぎない方がいいと思っております。
富虎本に品種ごとのコメントパターンなども書いておいて恐縮ですが、「今までこの品種・この産地にはこの言葉が選ばれているから…」というのは、あくまで参考程度にして、目の前のワインと素直に向き合うようにしましょう。
年々ワインの流行りやスタイルも変わってきていて、同じ品種・産地でも安易に傾向をひとまとめにはしづらくなっているからです。
ちなみにスタイルの変遷について、思い出話ですが・・・
今のコメント形式が始まった2011年ごろ…私はグローバルダイニングにて、ネッド・グッドウィンMWの下で働いていました。
ネッドさんがトータルワインディレクターで、私はネッドさん直轄店の「シェフソムリエ」という身に余るポジションをいただいて、毎日必死でございました。
よく覚えています。
ネッドさんが嬉しそうに次々とケースで仕入れてくださるオーストラリアのスタイリッシュなワインたちは、今思えばとても幸せなのですけど、当時は正直、私のソムリエとしての力量がなさすぎるために売るのにちょっぴり苦労しました。
だって、記念日とかにいらっしゃる方が多いんですもの。わかりやすいベタなフランスやカリフォルニアの有名ワインの方が、簡単にウケやすかったんですもの(←経験・勉強不足の言い訳)。
売れるか売れないかは、本当に売り手次第だなぁって思います。ちゃんと説明ができたり、自分自身がお客様に信頼されて「あなたの勧めるものならなんでも飲んでみるよ」と言っていただける状態であれば、あらゆる面白いものを飲んでいただけるので、お互いにとってハッピーですよね。
ワインの説明のできるスタッフがいない日でも超無難に美味しい銘柄として、ダックホーンやレイミーなどを置いておいたら、「なんでこんなにカリフォルニアの発注が多いんだ!」ってネッドさんに怒られたりして(今はわからないけどネッドさんあまりカリフォルニアお好きじゃなかった。笑)。
本当に贅沢すぎる環境で、とてもいい経験をさせていただいたのですが、諸々が今より更に未熟で申し訳なかったなと思います。。。
当時は、言い方悪いかもしれませんがワインエキスパートなどの資格を持っている方ほど、「カリフォルニアやオーストラリアのワインなんて、樽香や果実味が強すぎて飲めないよ〜」なんて仰る方が多かったような気がします(そうじゃない方ももちろんいらっしゃったけど)。
まさにワインスクールの受験対策講座等で「典型的」と教えられているニューワールドのワインのスタイルが、今よりもっとパワフルだったと思います。
当時のネッドさんの選ぶワインは、例えばオーストラリアのシラーでも、バロッサはほとんどなくて(ロックフォードのバスケットプレスくらいだったと思う)、ヴィクトリアの個性的な生産者のものが多かったです。「ネッドさんは本当に酸がお好きだな…」とこっそり思ってしまったくらい、とにかく全体的に酸が豊かでエレガントなものが多かったのですよ。
だから、オーストラリアって言ってもパワフル&大量生産型のワインばかりじゃないんだけどな、うーん人間の先入観は大きいけどどうやったら飲んでくれるかな、と当時よく思いました。
よく考えたら、もう、それは10年前になるんですね。その頃の「アメリカ・オーストラリアのシャルドネ」の典型的なコメントと今では異なると思うし、他の品種もそうでしょう。
というわけで、過去の試験模範解答の統計を取っても、特に栽培・醸造技術の進化によりスタイルの選択肢の多い近年は、そこまで大きな意味を持たないような気もします。
「過去こんな解答が選ばれたことがあったんだ」ということも参考にはなるけれど、あくまでご参考程度に、盲信はせずに、ということで。
飲み手の私たちにとっては、ワインの選択肢が広がって、ますます楽しい時代ですね♪
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