ブログ講師によって言うことが違うという混乱について思うこと

講師によって言うことが違うという混乱について思うこと





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「ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次対策、先生によって言うことが異なるので混乱する」と、毎年多くの方がおっしゃいます。

私も過去に「他の先生はこう言ってたんですけど!!」「他の本には、他のサイトには、こう書いてあったんですけど!!」などと、きっと一生懸命なだけで悪気はないのだと思いますが、中にはちょっとヒステリック気味におっしゃる方に遭遇したこともあり、そうでなくても大なり小なり悩まれている方が多いなぁと感じます。

そういう方々のお力になれたらいいなぁと、最近よく思っています。

 

※2021/04/29追記:
参考おすすめ記事
「ソムリエ・ワインエキスパート二次対策で良くいただくご質問」
https://tomiwine.com/jsatt-5

 

なぜ講師やスクールや本などによって異なるの?

座学と異なり、どうしてもテイスティングには感覚的な部分もあるので、「絶対」のロジックがないからですよね。

香りや味わいの感じ方は人によって幅がありますし、同じ人でもそのときの体調や環境によって多少は感じ方が変わったりもするでしょう。

そんな中でテイスティングの試験に受かる法則を作ろうとすると、やはり過去のソムリエ協会の公式の解答を見て、傾向と対策を練ることになります。

その、過去の公式の解答は、富虎本についている別冊データ集に、外観から結論までどの単語がどれだけ選ばれているかという分析データがあるのでぜひ参照していただければと思います。

ただ、毎年分析していて個人的に思うのですが、模範解答も年によって「あれ?これにこの言葉を選ぶんだ?今までと違うね?珍しいね?」と思ってしまうような、幅が随所にあります。おそらく模範解答を作成されている方々が毎年同じではないのでは?とも思ったりしつつ、そこは公表されていないのでわかりません。

加えて、公式の解答では生産国・品種・収穫年のみの公表で具体銘柄の情報はないため、実際にどんなワインだったのかはハッキリわかりません。ご存知の通り、一口に「フランスの2018年のシャルドネ」と言っても例えば北のシャブリと南仏の樽のきかせたものでは全く異なりますし、非常に多様ですが、そこは具体的な情報がないのです。

栽培や醸造の研究が進み生産者の選択肢が無数にある現代は特に、同じ生産国・品種・収穫年でもスタイルは生産者によって様々で、さらに全く同じ銘柄のワインでも多少はボトル差もあることでしょう。

なんていうか、もう、変数が多すぎるんですよね。笑

つまり「シャルドネなら絶対にこれ」みたいな確固たる法則はなく、私たちワインの受験講師の分析もあくまで「こういうときはこれが多い」「最近の傾向からこの可能性が高い」程度にとどまります。しかし「まあ何事も時と場合によるよねー」「結局その人、そのワイン次第だよねー」では試験対策になりませんので、できるだけ皆さまが迷わないで済むように各講師が一生懸命「こういうときはこう」とシンプル化したロジックを作ろうとするため、そりゃ例外も幅も多々あることになっちゃうわけです。

理想は、テイスティング学習用にも、ソムリエ協会の公式の教本があったらいいんじゃないかなぁと思います。座学の教本と同じように受験生が自動購入もので、「テイスティングは脳でする」等よりもっと教科書的な、協会として試験でのテイスティング法と答え方を明確に示したもので、それをちゃんと勉強すれば合格できるものを指します。

ただ、これはもしかするとADVの講師陣と似ていて、団体内に優秀なソムリエさんが多ければ多いほどメソッドも多様で各自がご自身のメソッドに強い自信を持たれていると思いますので、なかなか全員が納得・見解一致する統一の教科書というのが難しいのかなぁ、なんて勝手に思ったりもします。(あくまで勝手な推測です。でもそれは、こちら側の問題というか、スクールや協会側の問題で、受験生には関係ないことと理解しています。。。)

世の実技的なものは大なり小なり同様と思います

たとえば私も、声のトレーニングをしてもらっているときに、似たようなことを経験しています。

<例1 口を開ける or 開けない>

  • 先生A:「母音のあいうえおをハッキリと、口を大きく開けましょう」
  • 先生B:「口は開けすぎないほうがいい、君は開けすぎだ」

<例2 お腹を凹ませる or 凹ませない>

  • 先生C:「息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにへこませましょう」
  • 先生D:「息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにへこまないようにしましょう」

<例3 歌と同じ or 異なる>

  • 先生E:「話し方の発声も歌の発声も、基本は同じです」
  • 先生F:「話し方の発声と歌の発声は、全然違います」

えぇー、反対に聞こえるんだけど、どっちなのーーー!!

って思ったこと、私も何度もあります。でもこれ、今はどちらの正しさもわかります。

一生懸命インプットしようと思う時は必死で、先生方の仰ることの些細な食い違いに迷っちゃうし気になるんですけど、自分なりに落とし込もうといろいろやってみてもう一歩進んだ段階になると、あぁ双方こういうことを仰っていたのか、なるほど、と後から腹落ちすることもよくあるように思います。

先生方が一見全然違う正反対のことを言っているように聞こえる(見える)ことがあったとしても、実は最終的にたどり着くところはさほど変わらなくて、そこへたどり着くまでの道筋が複数あるから途中経過として反対に見えるだけで、結局は似たようなことを仰っているという場合も多いのではないでしょうか。

ちなみに、言い方が悪いかもですが、ワインに限らず運動系のトレーニングやダイエットそのほか様々な業界でよくある「〇〇(←人名)流、〇〇メソッド」等も、ブランディングの上手な誰かが自己流だと真新しいように名付けただけで本当は昔からある王道の方法のアレンジのひとつで、言ったもん勝ち状態になってたりすることもありませんか。笑。従来とは異なるオリジナルの新しい方法、実際はそんなに容易じゃないですよね。

とにかく先生に言われた通りにやってみましょう

いろんな先生がいろんなことを言って混乱するかもしれませんが、混乱している時間ももったいないので、先生に言われたことはとにかく素直にやってみることをお勧めします。

私も自分が腹落ちしないと前に進めない頑固な面を持っているので、「見様見真似でとにかくやれ」「体で覚えろ」みたいなのは苦手だし、思慮深いことは悪いことではないと思うのですけど、これは実技系を短期間で上達しようと思うと損なことも多いように思います。。。

まるで子供のように、恥ずかしがらず、意味がわからなくても飲み込めなくても、とにかくがむしゃらに先生に言われたことをやってみて、ダメ出しされたことを素直に直して、わからないことはなんでも質問して、と言う方が、やはり伸びやすいですよね。

逆に、やる前から「それは自分には違うと思うのでやりません」みたいなことをおっしゃる方は、、、あんまり、、、ご想像にお任せします。

自分ができない段階では、できる人と同じ景色が見えないので、そもそも「腹落ち」が難しいんですよ。一定以上のレベルに到達して俯瞰できるようになると、また見え方が違ってきますので、目の前の先生を信じて色々とやってみてください。

迷うなら一人の先生、違いを楽しめるなら複数の先生

これが最善とかではなく、あくまで一例としての自分が受験生だったときの経験談です。

私は、一次試験が終わり二次試験対策の単発コマが多数のワインスクール等で開催される時期には、一次試験の受験対策講座でお世話になった先生方はもう「どういうワインに対してどういうコメントをされるのか」が大体わかっているので、まだ受講したことのないよく知らない先生が担当される日程を優先的に選びました。

結果、先生によって多少は見解が違うので、ちょっぴり混乱することもあったり、「やっぱり慣れ親しんだ先生の方がわかりやすいなぁ…」と思うこともありました。でも、いろんな先生の考え方が聞けたことが、私は良かったと思っています。

先生による違いを「なるほど、この人はこうなんだな」とドライに受け止めて上手に取捨選択ができるタイプの方、むしろ色んな見解を聞くのが勉強になる!とポジティブに楽しめる方なら、いろんな先生の見解を聞くと良いでしょう。

逆に、各先生方によるちょっとした見解の差異で混乱しやすく、それが精神的にマイナスに働く可能性のある方は、そのようなやり方ではなく、しっくりくる一人の先生のおっしゃることを100%信じてついていったほうがいいでしょう。

受験講師として活躍されている先生であれば、どの先生を信じてついていっても合格はできるはずです。

人なので相性はあると思います

とはいえ、「しっくりくる一人の先生」を見つけるのがまた大変だったりしますよねー。

どの先生がご自身に合っているかというのは、これは受けてみないとわからない面もあるでしょう。

再び声のトレーニングの話で恐縮ですが、私もこの数年で様々な声の先生方にご指導いただき(正直結構なお金と時間を使いました😂)、色々と思うことがあります。

まず、世に言われている通り、良いプレイヤーと良い監督は別ですよね。その業界でアスリート的に素晴らしい実績があったり有名だったりする方が、先生としても素晴らしいかというと、これはわからない。優秀なプレイヤーの多くは「元から上手な人」ですので、できない人の感覚がいまいちわからないこともあります。

私も、現役または元、声優・ナレーター・アナウンサー等で活躍されている先生が仰ることよりも、声の仕事では有名でないけれど初心者が話せるようになることに特化した同じ目線に立って話してくれる先生の仰ることの方がしっくりくることもありました。

もしあなたがテイスティングに自信がなく初心者なのであれば、プレイヤーとしての実績等に関わらず、元々の経歴はワイン業界の人でなくても良いので、とにかく「できない人ができるようになるためには」ということを真剣に考えて学んで特化している先生が向いているでしょう。

ある程度できるようになってくるとそれでは物足りなくなるかもしれませんので、たとえば初心者向けではないけどプレイヤーとして実績のある先生とか、そういうほうが面白くなってくるかもしれませんね。

でもそれも絶対じゃなくて、「ADVでクラスを選ぶときの超個人的おすすめ」にも書きました通り、多様なニーズと多様な講師の特色がありますので、たとえば目の保養がモチベーションに重要な方であれば、先生として教え方がどうであるかよりも、ビジュアル重視で選んでもいいと思うんです。笑。

(ただ、そういう選び方をするのはおそらくあなただけではありませんので、もし客層が同じような下心を持つ人ばかりであっても、それで先生や学校の悪口言ったりしちゃダメですよ。笑)

ある時点で、特定の先生を素晴らしいと思っても、あくまで教わった時点の自分にはそれが合っていたというだけかもしれません。

また自分のレベルが変わってくると、昔はピンとこなかったメソッドや先生がしっくりくるようになってきたりとか、そう言うこともありますよね。

教わる側も成長しますし、同じように先生側も成長しますので、「この先生が絶対いい!」「この先生は絶対ダメ!」などもあまり思い込みすぎず、常に柔軟に人のことを見て、楽しんで学べるといいですね。

お役に立てれば嬉しいです

たしかに、先生によって仰ることが異なるように感じたら、真面目で素直な人ほど混乱しますよね。

できるだけ悩める皆様と同じ目線に立って、ご本人の中で納得につながるようなアドバイスができたら良いなと、私は思っています。自分が講師をしているからこそ、「あぁ、きっとその先生は、こういう意味のことを伝えたかったんじゃないかな」等がわかることもあると思いますので。

それこそ富虎本等でも、他の先生と違うんだけどとか、疑問に思われることがあったらなんでも言ってくださいね。

お役に立てれば嬉しいです。

更新履歴

  • 2021/04/29 全面的に文章を修正しました。


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お読みくださって、どうもありがとうございました。



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