ブログソムリエバッジ売買(追記あり)

ソムリエバッジ売買(追記あり)

ニュースを見て、思い出したこと&思うことがあったので、書いてみます。

あれは10年以上前…

当時尊敬していたソムリエさんが、実はソムリエ資格を持っていらっしゃらず、彼が胸に着けているソムリエバッジはネットオークションで買ったものなのだということをたまたま知りました。

「えっ!持ってなかったの?!」と衝撃を受けました。その日から彼の人間性や知識量が変わるわけでもなんでもないのだけど、「あぁ、そういう人だったんだ…」と、こちらの意識が少しだけ変わってしまったというか、なんというか、ちょっとショックでした。

でも、そういう「よろしくないこと」をしていた彼の肩を持つわけじゃないけど、その方は、ある程度以上ワインに詳しかったと思います。ソムリエバッジをつけて、ソムリエさんとして働いていても、全然違和感がないくらいには。

ソムリエ資格を持っていなくても、ワインに詳しい方や経験豊富な方は、たくさんいらっしゃいますよね。

以前、こんな話を友人から聞きました。

「ぼくは、シャンパーニュの詳しさに関しては、とても自信がある。そして、資格なんてどうでも良いと思っていた。だけど、ワインショップで働いていたとき、いつもお客様は自分にではなく、新人のソムリエバッジをつけた子にシャンパーニュの質問をするんだ。圧倒的に僕の方が詳しいのに…くやしいから、ぼくも資格をとったんだ」

そうなんですよね。。。

たしかに私も、ワインショップやレストランでワインのことをスタッフさんに聞こうと思ったら、やっぱりソムリエバッジをつけている方がいらっしゃればその方へお伺いすることが多いです。だって、どのスタッフさんが詳しいのか、どなたに聞いて良いのか、わからないから。

資格なんて、あったってなくったって、いい。それも考え方の一つですし、ワインに詳しいかどうかと資格を持っているかどうかは必ずしも比例するわけではないけど、どなたに聞いて良いかわからないお客様にとって、ソムリエバッジはひとつのわかりやすい目印になりますよね。ソムリエバッジをつけて働くスタッフさんも、お客様から質問をいただくという「素晴らしい成長の機会」に恵まれやすいので、良いことだと思います。実際に私もそうで、ソムリエバッジをつけて働いたら、ぐっと求められるハードルが上がりました。もちろん資格を取るときは必死になって勉強したのだけど、やっぱり短期間で合格のため理解を後回しにした丸暗記の知識では、お客様の質問に十分に答えられないことも多く、もう一度学び直そうと思って初級講座からアカデミー・デュ・ヴァンへ通い、今に至ります。

ちなみに、そもそもソムリエ資格を持っている方の中でも、「ソムリエバッジをつける」という行為自体に、いろんな考え方があるようです。

たとえば、「自分なんかまだまだ勉強中でソムリエバッジをつけるなんて恐れ多い。だから資格は持っているけどバッジはつけない」という方も、しばしばいらっしゃいます。

逆に、「ソムリエバッジはあくまでスタートラインでしかない。一通り基礎の勉強をしましたよというだけの、運転免許証のようなものだから、遠慮せず堂々とつけるべき。つけて、お客様から容赦のない質問をどんどんいただいて鍛えられるべき」という方も、いらっしゃいます。

どっちが正しいとかではないけど、私はどちらかというと後者派です。立場が人を成長させると思うので。

さて、ソムリエバッジの売買についてですが。

実は私は、全く同じソムリエバッジを2つ持っています。

昔、勤務中にソムリエバッジを紛失しまして、再発行してもらったら先代がひょっこり出てきた、という経緯です。

今仕事の時は、ソムリエバッジだけにこだわらず、ぶどうのバッジを服と気分に合わせて日替わりでつけています。

(※上の方は、資格のバッジじゃなくて、単に可愛いオシャレバッジ。一番下のピンバッジは、渡辺正澄先生のワインマスター塾のもの。)

余談ですが、今の「基本マグネット式」になってから、昔のネジ式のほうがしっかり止まりそうで良いというお声もたまに耳にしますが、ネジ式も私のようによく走る場合は揺れてネジが緩んでしばしばソムリエバッジがチャリーンって床に落ちていましたよ。笑

(どうして私はよく走っていたかというと…お客様がお帰りになる際、エレベーター前までお客様をお見送りして、エレベーターの扉が閉まった瞬間にダッシュで階段で下に降り、お客様より先に下へ着いて待ち構え、エレベーターの扉が開いたらお客様がびっくりしてくださり、そこからさらにお客様が見えなくなるまでお見送りするという…例の有名なサービスを全員で行なうお店で働いていたからです。夏場は毎日スーツの中が汗だくでした。^^;笑)

もちろん私はソムリエバッジを売りません。ただ、このように紛失し再発行後に偶然出てきて複数持っている場合や、もしかすると紛失じゃなくても予備で複数個持ちたくて再発行する方もいらっしゃるかもしれませんし、そうでなくても普段使わないとか、金銭的に苦しいとかで、「売っちゃおうかな」…と思う人がいるというのは、大変残念なことですし決して許されないことですが、なんとなくわかるような気はします。

買う側も、たとえばワインスクールのソムリエ受験対策講座に行くと大体15万円前後はかかるわけで、試験の受験料やらプライベートでテイスティング練習用にワインを買ったりやら何やらで、きっと合計20万円程度はかかるでしょう。さらに、どうにか時間を作ってかなりの量の勉強もしなければならないし、必ず合格できる保証もない。それを考えたら、20万円以下であればそのお金でソムリエバッジを買っちゃった方が目先の「コスパがいい」のでは…と思われるのも、大変残念なことですし決して許されないことですが、なんとなくわかるような気はします。

序盤のお話のように私は、すでに10年以上前に「ソムリエバッジをネットで買った人」と遭遇していますので、この問題は今に始まったことじゃないんですよね。けど、ニュースや新聞で取り上げてくださったのはありがたくて、状況が改善されれば良いなと思います。

そんなこんなで、ひとつ、言わせてください。

出来心でソムリエバッジ買ってしまった人…今からでも良いから、ちゃんと試験受けて合格したら良いじゃない…!!

幸か不幸か昨今情報量が多く、教本もかなりアップデートされているので、今から改めてきちんと勉強したら、「何年も前にソムリエ資格をとって全然ブラッシュアップしてない人」よりよほどレベルの高い知識を持ったソムリエになれると思います。

ああっ。だけど、毎年日本ソムリエ協会の機関誌に合格者氏名が載りますもんね。。。今までソムリエとして働いてきたのに、いまさら今年合格しましたとかお客様や職場にバレたら人生終わりだ…という方もいらっしゃるかもしれません。たとえば、そういう方は、日本ソムリエ協会さんへ直接ご相談されてみてはいかがでしょうか…?わかりませんけど、昨今個人情報云々も厳しいし、もしかすると「ストーカー被害に遭っている」等の別の事情で名前載せないでくださいって方もいらっしゃるかもしれないし、ちょっと個人的な事情があって機関誌には名前を載せないで欲しいんですってお願いしたら、もしかして大丈夫なんじゃないでしょうか…?一旦間違っちゃったとしても、ちゃんと胸張ってソムリエになりたいという人に、わざわざ気まずい思いをさせるような方々でもないんじゃないかしら。

私も、飲食で学んだことは大きいです。今までの先輩方に、とても感謝しています。それについては長くなるので、また別の機会に書くとして。

今、現場でソムリエとして頑張っている「全ての方」が、心から胸を張って仕事をしてくれたら嬉しいなと、願うばかりです。

追記(2019/02/08 )


「いやいや、バッジを買ってソムリエ名乗ってた人が、気まずいから名前載せないでとか、ダメでしょ。ちゃんと1からやり直して周りの方に謝罪するべき」等のご意見いただいたので追記します。

昨今は試験合格に必要な勉強量も多く、一生懸命頑張って資格取得された方ほど、その努力をせずにバッジだけを買ってソムリエを名乗る人を許せないと思われるのも当然ですし、悪いことをしたなら謝罪してやり直すべきというのもおっしゃる通りと思います。

ただ、潔く周りに謝罪して1からやり直せる方は、そもそもバッジを買わないんじゃないかなぁとも思うので…その勇気がない方でも、後付けでも良いから同じ努力をしてもらうには、という折衷案で書きました。

決して、嘘をつくことを推奨するつもりはありません。

あと、私は、「お天道様は見ている」といつも思っています。その場は平気でも、堂々と胸を張れないことをしていたり、言っていることとやっていることが違っていたりすると、いつか本人の心の健康が崩れていき、結局本人が幸せでないと思うんですよね。

「正々堂々」って、心が健康で幸せでないと中々できないなって、私は感じます。

だから、もしバッジを買ってソムリエを名乗ってしまっていた人でも、ちゃんと勉強して資格を取得されたら、ご自身の中で後ろめたいことが一つ減って、ちょっぴり心が軽くなると思うんです。そして、いつか「ごめん、実はさ…資格とったの、最近なんだよね。試験勉強本当に大変だった。今まで申し訳なかったなって心から反省した」って言える日が来たらいいんじゃないかなぁって思います。

間違いは誰にでもありますし、ワインを好きであることはみんな一緒だと思います。

「ソムリエバッジをつけている人」として、ベテランも新人もみんなで、お客様の信頼と期待に応えて、そのさらに上をいけるよう、切磋琢磨していきたいですね!

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お読みくださって、どうもありがとうございました。

少しでもお役に立てば幸いです(^^)

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