「WSETってどうなんですか?」
ソムリエ・ワインエキスパート試験後の受講生に、よくご質問いただきます。
現状、私は自分でWSETの講座は担当していないので、よく知らないで書いています。ぜひ詳しくはWSETを担当されている先生方に聞いてみてくださいね。素晴らしい先生方が、みなさまを待っていらっしゃると思います。
という前提で、単にLevel 2 &Level 3 を一般の受験生として受験したときの個人的な感想でも何かお役に立つのであれば、ということで書きますね。
先に結論
JSAソムリエ・ワインエキスパート試験とは求められる解答と視点が異なるので、こちらもやっておくと勉強になるだろうなぁと思います。おすすめです。
体感レベル
よく、ソムリエ・ワインエキスパート試験≒WSETのLevel 3 くらい、と言われますよね。
たしかに、Level 2 は非常に簡単な入門知識なので、ソムリエ・ワインエキスパート試験後の方へちょうどいいのはLevel 3 なのかなぁと私も思います。もちろん、基礎からしっかりやりたいと言う方はLevel 2からも良いでしょう。
で、Level 3 は…個人差はあると思いますが、おそらくソムリエ・ワインエキスパート試験後の方の多くが、こんな感じじゃないかなと思います。くどいですが、あくまで個人的な勝手な感想です。
- 選択問題:拍子抜けするくらい超簡単
- 記述問題:過去にStep2などの体系的な学習をされていて周辺知識があれば書けるけど「ソムリエ・ワインエキスパート試験が初めてのちゃんとしたワイン学習」という方には少々難しめ(特に栽培・醸造関係)。教科書にハッキリ書いていないことも出るので、教科書を隅々+周辺知識の理解も必要
- テイスティング:記述式だが、専用の「型」を覚えれば大凡書けるはず。ただ、ソムリエ・ワインエキスパート試験とは異なり、アイテムの価格レンジが幅広く、「無難に褒める」が通らない。3000円前後のワインばかりテイスティングし無難な選択用語を選んできたソムリエ・ワインエキスパート受験生には、ちょっと頭の切り替えと、さまざまな価格帯のワインの価値を正確に評価する訓練が必要かも
- 総合的に:いずれもボーダーラインは優しくて、55%正答で合格なので、要するに半分ちょっと合っていればいいわけだから、大抵の方は合格できるはず。あと、日本語版は日本語が所々わかりにくかったりとか、章によっては所々ちょっぴり内容が古かったりするかもだけど、気にしない
ダメダメなとみたの場合
今から10年以上前のソムリエ試験後、当時はレベル3の日本語がなくて、INTERNATIONAL HIGHER CERTIFICATEという(もう今ないですかね?)、Level 3未満みたいな試験を受けました。そこからご無沙汰でした。
2019年に、最近WSETを受ける受講生の方多いし私も勉強してみようかなと思って、ADVの青山先生の講座を受講。が、しかし、なんだかやたら忙しい時期に重なってしまい(言い訳)、本当に劣等生で申し訳なく肩身が狭いのだけど、予習はおろか復習も宿題も全く手をつけられず「ただ授業に行くだけ」になってしまい、さらに酷いことに授業中も急ぎのメールを返信したりしていて、うっかり当てられて聞いていなくて答えられなくて斜め後ろに座っていた存じている生徒さんに「今パソコンで違う画面見てたでしょ」と笑われると言う、ダメ生徒極まれりでした。
思うように勉強を進められない、生徒さんたちの気持ちがよくわかりました。自分の講座の受講生でも、「先生ごめんなさい、勉強できていなくて」って謝ってくださる方がたまにいらっしゃるんです。「いいんですよいいんですよ私に謝らなくても、ご自身のペースで楽しめる範囲でやってくださいな」と心から思うんだけど、先生に謝りたくなる気持ちわかる・・・!!一生懸命やってくださっている先生に申し訳なくなるんですよね。本当は自分だって、予習復習完璧の優等生でありたいのに、ちゃんと時間が取れたらもう少しできそうなんだけど、どうしても他の優先事項ができちゃって、回らなくて、言い訳なんだけど、謝ってる暇があったらちゃんとやれって思われそうだけど、でもなんか本当にごめんなさいって思う気持ち。うん。(そう言う意味でもいい勉強になりました)
で、そんなダメ生徒の私は、教科書をほぼ一度も開くこともなく、テイスティングの書き方も使う言葉とか全くうろ覚えで、試験を受けることになり。(良い子のみなさんは絶対に真似をしてはいけませんよ)
結果、、、
Theory:Pass with Distinction
Tasting:Pass
Grade:Pass with Merit
決して褒められたもんじゃないんですけど、座学は教科書をほぼ読んでいなくても、まあまあの成績だったみたいです。体感的に「ADVのStep1〜3の知識が入っていれば、WSET教科書の内容を知らなくても大凡解けるなぁ」、と言う印象でした。だって私がそうだから。
でもテイスティングはダメですね、ちゃんとWSET方式を学んで形式に則った書き方や評価を練習しないといかんですよね。私ギリですね、受かったの(むしろよく受かったね)笑
で、ですね。気づくんです私。
別に私は資格が欲しかったわけじゃないんですよ。WSET方式を学びたくて、受講したんですよ。なのに結局、ほぼ勉強せずに試験だけで終わっとる・・・これはよくない・・・
ということで、後から教科書を読みつつ。
翌年、せっかくだから Level 2の英語も、オンラインで申し込みました(これはADVにはなかったので、キャプランさんで)。
で、またたいして勉強せずに試験だけ受けることになるアゲイン。
反省しなさいよ私。笑
Level 2 もLevel 3も、 後からでもちゃんと、勉強します!そしていずれDiplomaも!!
スカラシップ狙ってみては?
Level 3なら「The Level 3 Decanter Scholarship」という、超優秀な成績で合格すると3,000ポンド≒40万円くらいの賞金がもらえる賞があるんですよね。いいなぁー。
だから正直、ソムリエ・ワインエキスパート試験後の方は、試験後にまたすぐに試験!と急いで受けなくても、Level 3 は教科書にハッキリ書かれていないことも出るので、もっともっと周辺知識を完璧に勉強してから受講して、スカラシップ受賞を目指したら得なんじゃないかなぁとも思ったりしますけど、そこは人ぞれぞれでしょうか。
教科書だけ購入もできるよ
こちらから、買えます(^^)
https://shop.wsetglobal.com/collections/books
JSAより良い?!
「マイナーなAOCや意味のない数字の暗記の多いJSAなんかより、理由を大事にするWSETのほうが何倍も良い!!」
ソムリエ・ワインエキスパート試験を受けた後にWSETの勉強を始められる方で、しばしばこんなふうに、もちろん悪気はないのだと思いますが、ソムリエ・ワインエキスパート試験を下げる言い方でWSETを褒めているかたを見掛けます。
個人的に、その言い方はちょっと違うのではないかな、と思うのですよねー。
ソムリエ・ワインエキスパート試験でワイン業界の基礎用語を嫌と言うほどたくさん暗記したからこそ、今につながっている部分もあるでしょう。
たしかにソムリエ・ワインエキスパート試験の暗記量は相当な量ですし、WSETのように「細かいアペラシオンよりも理由を答えたり方法を説明したりする」という形式の方が、納得できるし深く理解した気持ちになるし楽しい!というのは私もよくわかります。
されど結局、どんな試験であっても、あくまで試験勉強である限りは試験に有効な内容を中心に学習して、試験に出ないところは端折られやすいという面は共通しており、冷めた言い方かもしれませんが試験でマルをもらうための「単語の暗記(≒JSA)」か「理由や方法の暗記(≒WSET)」か、求められている答え方が異なるだけで試験系と言う意味では同系統というかなんと言うか、まぁ「どっちが良い」とかじゃないよねと私は思ってしまうのですが、どうでしょうか。(異論は認めます)
とはいえ私自身も、「前があったから今がある、どっちも大事」ということに気づかずに「前よりこっちの方が断然良いじゃん!」と勢いで思ってしまうこと、ありました。以前マンツーマンのボイトレに色々と通ってイマイチ上達しなかった部分が、昨今のボイトレ系の人気のYouTube動画や、オンラインの滑舌能力検定・朗読検定等を自宅で学ぶことで、できるようになってきているんですよね。でもこれは「高いお金を払ってマンツーマンのボイトレに通うより、家で無料動画やオンラインの検定やってる方がよっぽど成長できる!」ということではなくて、過去にボイトレの先生方が教えてくださった下地があるからこそ、家で独りで動画等で学習しても理解できるのだと思います。もし下地が全くなく最初から独学のみであれば難しかったはずです。てか、今思えば、ボイトレに通っていた当時の私がまだ理解できなかっただけで、昔ボイトレの先生方も、今の私に必要なことをすでに言ってくださっていたりするんですよね。そんなもんですよね。マンツーマンのボイトレ教室もいいし、家でYouTube見たりしての自主学習もいい。両方いい。
どっちが良い、どっちが優れている、とかじゃなくて、どっちも異なる良い面があるし、どっちもやってみると良いよね、と思うのでした☺️
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